子どもの最善の利益を追求し、一人一人の子どもを大切に保育を行います。
また、現在を最も良く生き、望ましい未来を創り出す力の基礎を培います。
同時に全ての子育て家庭を視野に入れ、子育てに関する支援事業をおこない、
地域の子どもも含めた子どもの育ちを、総合的に支援します。

保育園の概要

子どものものさし

松田道雄(1908~1998)は明治・大正時代の小児科医・評論家で、子どもと母親の立場に立った医療・育児を追求し続けた人として、知られています。松田の本、「子どものものさし」を読みました。一文を紹介します。    『人間はめいめいが心のなかにものさしをもっていて、どの人間にも自分のものさしを使う権利がある。大人は、大人の心のものさしを子どもにおしつけることで、人間が作れると思っている。たしかに大人のものさしだけで人間はつくれる。しかしりっぱな人間はつくれない。りっぱな人間は、自分のすることに責任をもっている。自分のすることに責任をもつためには、自分のものさしではかって、自分で設計せねばならぬ。大人は、子どもに自分のものさしを使う機会を与えねばならない。子どもの心にしかないものを、もっと大事にしなければならぬ。』   自分のものさしを使う機会を大人がどれだけ用意するか、子どもがものさしを使う時、どれだけ寛大に見守ることができるのか、それによって、子どもの人生が変わるといっても過言ではないと思いました。松田の著書は、時代は変わっても、子どもに対する大切な心持ちは変わらないことを、教えてくれていました。

問いを育てる

幼児組は、ピラミーデ教育法を参考にし、保育実践に取り入れています。ピラミーデ教育法は、オランダの教育改革から生まれた教育法で、「体験型共同学習」です。ピラミーデの基本理念は、「自己選択で始まり、自己解決を目指すのが、本来の教育。主体は子ども。大人はサポーター。」と謳われています。自分で選択し、自ら解決しようとする力は、人が幸せに生きていくために、とても大切な力だと考えています。

夏のピラミーデのテーマは、「水」。にじファミリーでは、どろんこの時に、「どろってなんなん?」という子どもの疑問から、泥水をペットボトルに入れ、観察が始まりました。温かいどろんこと、冷たいどろんこがあることに気づき、太陽にあてて実験してみました。子どもたちは、太陽にあてると水が温かくなるだけでなく、量が減っていることにも気づきます。あらたな疑問です。また、「水は透明なのに、海の水はどうして青いの?」という疑問も出てきました。子どもたちは、水の変容について、また、水の性質について、疑問に思ったことを、どんどん科学的な視点で解明していこうと、学びを深めていきました。保育士は子どもの気づきに感動しながら、保育を作っていき、本当に楽しそうでした。「疑問に思う」ことは、学びの出発点。大切なのは「問い」を育てるということ。問われているのは「問いを育てる」大人側の姿勢や視点なのかもしれません。

保育の定石

静岡県で、幼児置き去り事故が幼稚園バスで起き、3歳の女の子が、熱射病で亡くなりました。昨年、福岡県で起きたばかりで、本当に胸が痛みます。

幼児施設で事故が起こるたびに、非難に終始することなく、あすか保育園ではどうだろうかと、必ず振り返りをおこないます。

例えば、朝は、9:15に各クラスと事務所が出欠確認を行います。連絡なしで登園していない家庭にはその後、電話なりITCなりで現況の確認を取ります。また、保育中の置き去り事故も、どこかに落とし穴がないか、いろいろと想定し、未然に防げるよう策を講じてます。

保育は1に確認、2に確認。子どもは、大人よりも動きが速いですし、予想もつかない動きをしたりするので、基本中の基本、保育の定石として、場所が変わるたびに何回も、人数を数えます。子どもはじっとしていないし、人数を数えるだけでも、日に何回もあると、保育士はかなりの労力を要します。しかし、子どもの安全確保のためには、必要だと職員は納得してくれているので、日に何回も何回も数えてくれているのです。

保育理念や保育方針はとても大切だけれども、やっぱり1番大切なのは、かけがえのない命をお預かりしているという自覚。取り返しのつかないような事故は絶対起こさない。これに勝るものはないと思います。緊張感を緩めずに保育していきたいと思います。

夏の子ども達Ⅱ

前回は、保育園の夏の子ども達の姿を書きました。今回は、もう少し歳上の子ども達の、夏の姿です。7月下旬に、2022年度の全国学力テスト(小学校6年生と中学校3年生)の結果が公表されました。2021年度に新学習指導要領が実施され、その中で「主体的・対話的で深い学び」が重視されましたが、残念ながら、それを意識した出題の平均回答率は、今年も低いものでした。子ども達が、「自分で考えて、判断し、行動する。」そういった力を身に着けていくための、学びの道のりは、まだまだ険しいようです。

一方、「夏の子ども達」と言えば、高校野球。毎年、様々なドラマと感動を与えてくれます。今年7月28日に行なわれた奈良県大会決勝。強豪天理高校に、奈良大会決勝初進出の生駒が挑みました。しかし、決勝当日、生駒の部員に新型コロナ陽性者や体調不良者が続出し、登録メンバーは20人から12人に。内、初めてベンチ入りした選手が11人。先発した1年生投手は大会初出場でした。天理は生駒の異変を知っていましたが、天理の中村監督は「手を抜く方が失礼。全力で戦え」とナインに指示しました。9回、生駒高校の攻撃、2死、この時、天理高校が選手だけでタイムを取って、マウンドに集合。主将の提案の下、皆で「試合後に喜ぶのはやめとこう」と決めました。21-0で天理は圧勝しましたが、天理高校はガッツポーズを封印し、粛々とグランドを去っていきました。(日刊スポーツ引用)

後述の天理高校の話しは、「自分で考えて、判断し、行動する」姿そのものだと思います。学びも生活も日々のすべてが、人との関わりの中で絡みあい、営われていく中で、「自分で考えて、判断し、行動する力」は、人と関わりながら育っていくのだと思います。つまり「自分で考えて、判断し、行動する」力が正しく育てば、「思いやりの心が育つ」ということに他ならないと思います。

天理高校の野球部員たちが、人の育ちの道筋を、あらためて教えてくれました。

夏の子ども達

夏は少し特別感があります。夏休みや旅行、祭りに花火・・。保育園でも、プール遊び、「夜の保育園(5歳児が8時ごろまで保育園で過ごします)」や、「夏のあそび会(夏祭り)」、「ウエルカム1年生(昨年度の卒園児が保育園で1日過ごします)」・・。ワクワクがいっぱいです。

「夜の保育園」に参加した5歳児は、「本当に今日は楽しい。楽しくて仕方がない。」と話してくれ、「夜の保育園」を盛り上げてくれる3・4歳児も、当日の遊びの案を出し、みんなで話し合い、イメージを共有化して、お店屋さんを作ってくれました。それぞれの子ども達の意欲的な姿に、保育士もとても驚いていました。

「ウエルカム1年生」では、保育園から招待のお手紙が届いて以降、おうちの人に何回も、保育園に行く日はいつか尋ねていたそうです。当日は、自分でパッと起きて着替えをすまし、意気揚々と家を出たとか。保育園に来ることをそんなに楽しみにしていてくれたなんて、うれしくてたまりません。来てくれた1年生は、とても成長していて、最初は少し照れながら、しばらくすると本当にやさしいお兄ちゃん、お姉ちゃんぶりを見せてくれていました。保育園時代は、毎日のようにトラブル勃発だったことも懐かしい思い出です。

保育士が子ども達を愛し、気持ちを大切に保育してきたことが、確実に実を結んでいることを実感させてくれました。子ども達に感謝です。

いのちの個性

先月号で、「あすかのひろば」の取り組みについて書きました。子どもたちの考える力や、人と共生する力が、確実に育っていると感じました。自分に自信を持っていて、自尊感情が育まれているから、5歳児の「キッズソーラン(鳴子おどり)」も自分たちで踊りを考えて、やりきることができたんだと思います。素晴らしい表現活動でした。  6月24日(金)、久保敬さん(木川南小学校の元校長・昨年大阪市長に、子どもや家庭の教育の権利に関する「提言書」を出し、ニュースでも取り上げられました。)に、園に来ていただき、職場内研修で講演を受けました。啓発小学校や支援学校の先生、地域の教育関係者もお見えになり、「『学び』や『遊び』は子どもの権利」というテーマのもと、皆で学びあいました。その中で、まどみちおさん(「ぞうさん」や「1ねんせいになったら」等の作詞をした人)の言葉が紹介されました。『一生懸命になるちゅうことは、自分自身になること、一生懸命になれば一人一人の違いが際立つ。いのちの個性が輝き始める。』 年長児の「キッズソーラン」は、一人一人が一生懸命で、確かにいのちの個性が輝き始めていたのだと思います。久保先生から教えていただいたことを保育に活かし、子どもの人権を大切にする保育を、今後も考え続けたいと思いました。

あすかのひろば

「あすかのひろば」のとりくみが楽しかった。ファミリーの中にグループがあり、それぞれのグループが、何かしらの物に人を乗せ、ひっぱったり、押したりしてゴールに向かうゲームに挑戦。物は、箱だったり、ビニールの敷物であったり、新聞紙だったり・・・。考える(イメージする)・自分の意見をまとめる・意見を表明する・人の意見を聞く・意見を調整する・形にしていく・・・。様々な工程を経て、作り上げていく。だがしかし・・・。なかなかうまくいかない。やり直す。また、やってみる。なんて根気強い作業だろう。重さや強度、形、面積、体積・・・。遊びを通して様々な学びを深めている。あすか保育園では、プロジェクト保育(テーマ保育)に取り組んでいる。月ごとの「テーマ」を意識して、遊びながら学びを深める。今月のプロジェクト保育のテーマは「体」。「体」に因んだ学びが深められるよう、保育士たちは、仕掛けを用意する。子どもたちは自ら考えて、発見したことに喜びを感じる。それが自信につながっていく。私たちも、逆に子どもの発想に驚かされたり、感心させられたり・・。そして何より、一生懸命取り組む子どもの姿が、愛おしくて、美しい。保育は楽しい。

ウクライナ民話「てぶくろ」

ウクライナへのロシア軍事侵攻が長期化し、まだ終息の兆しが見えません。ウクライナは、温暖な気候で肥沃な黒土地帯が広がり、雑穀の国としても有名です。でも、どこか遠くの、あまり知らない国の一つだった方が多いのではないですか。ウクライナの産物(?)で多くの人が知っているものがあります。それは、絵本「てぶくろ」。ウクライナ民話のこの本は、1965年に出版されてから、累計発売部数が300万部を越え、特に保育園には、必ずと言っていいほど置いてある絵本です。多くの子どもたちから愛されてきた「てぶくろ」。おじいさんが落としていった手袋にいろいろな動物が入りに来る物語で、昨年のほしファミリーの「きらきらひろば(発表会)」でもシナリオに使わせていただきました。

ウクライナの惨状をニュースで見た小学生がこんなことを言いました。「あの手袋に入っていた動物たちは、今、どうしているのかなぁ。」・・・相手のことを思う(思いやる)、違う国に思いをはせる、私たちが読んできた絵本で、平和を思う気持ちが育っているとしたら、感慨深いものがあります。子どもたちの心の根っこに、そんな気持ちが宿るよう、これからも保育していきたいと思いました。

ロール・モデル

3月23日(水)、12名の5歳児と保護者の方々、保育士、在園児で、温かな卒園式が執り行われました。今年度ほど、当日まで、悩ましい日々を送った卒園式は、今までありませんでした。その理由は、3月に入って、子どもも職員も次々に感染して、当日の全児参加が危ぶまれたこと。また、卒園式の前週まで「まん延防止等重点措置」が引かれ、複数の児童は当日がぶっつけ本番になるということ。しかし、当日は、12名全員が晴々とした面持ちで参加し、安堵とうれしさで胸がいっぱいになりました。

そんな中での、心温まるエピソードを1つ。4歳児の子どもが、私のところに来て「先生、虫博士の〇〇君と〇〇君は(5歳児)は、卒園やんな。ということは、次は、僕が虫博士やんな。」と、とても誇らしげに、ニコっと笑って言いました。本当にうれしそうでした。私も「きっとそうやな。」と頭をなでました。

たてわりクラスの中で、自分のすぐ傍に憧れがあり、モデルがいるということ。「次は自分が」という、期待に溢れていること。ほんとに素晴らしいと思いました。モデルになってくれた5歳児さん、ありがとう。そして、4歳児さん、次はあなた達が年長さんとなり、モデルになる番です。よろしくね。子ども達の、それぞれの輝きが、あすか保育園を豊かな保育園にしてくれています。そんな気持ちを胸に、春を迎えます。それぞれの春、みんなおめでとう!           

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