子どもの最善の利益を追求し、一人一人の子どもを大切に保育を行います。
また、現在を最も良く生き、望ましい未来を創り出す力の基礎を培います。
同時に全ての子育て家庭を視野に入れ、子育てに関する支援事業をおこない、
地域の子どもも含めた子どもの育ちを、総合的に支援します。

保育園の概要

地域交流(ベビー・マッサージ)

 6月28日(金)、地域交流でベビーマッサージを行いました。あいにくの雨で、参加者はいないかな、なんて思っていたのですが、4組の参加と、妊婦の方も見に来てくださいました。この日は、ちょうど園の保育参加とも重なっていて、保育参加に来られた0歳児の保護者も、子どもさんと一緒に参加してくださいました。3階の和室で、なんだか助産院のような感じでした。せっかく在園児の保護者と、未就園の保護者が同席されているので、地域交流に来られている方に、在園児の保護者に何か質問はないかと聞いてみました。すると、「この園を選んだ理由は何ですか?」という、直球の質問が・・(笑)。在園児の保護者の方は、「近かったたら。」「こんじんまりしてたから。あんまり大きな園はいやだなとおもっていて・・。」「たてわり保育がいいなと思った。」と、答えてくださっていました。未就園の保護者の方々とも、こんなふうに繋がっていけると嬉しいなと思いました。

「あすかのひろば」(運動会)(5月25日)

今年の 「あすかのひろば」は、今までと少し趣向が違ったの取り組みとなりました。保護者と関わって遊ぶことをメインに、保護者も子ども楽しめる内容となりました。保護者からもとても好評でした。

「あすかのひろば」のねらいは、

・体を動かすことを楽しむ。(体)
・遊びを通して友達に親しみを持つ。(徳)
・保護者と一緒に体を動かして遊ぶことを楽しむ。(徳)  でした。

生きる力の基礎を培うために、知・徳・体がバランスよく育まれるよう、あそびや取り組みの「ねらい」を設定しています。

知:思考力や創造力、言語力の基礎を育む
徳:人と関わる力や、決まりを守る心、生命を大切にする態度を育む
体:健康な体づくりの基礎や基本的な生活習慣を身に着ける

「あすかのひろば」で、子ども達は、遊びを通して体づくりをし、友達と深く関わり、保護者と遊ぶことを楽しみました。まさしく、「遊びは学び」であったと思います。これからも、楽しく遊びながら、生きる力の基礎を育んでいきたいと思います。

【地域交流】2024年度の日程です。(2024年5月16日更新)

2024年度の地域交流の日程をお知らせします。詳しくは、こちらの案内もご覧ください。

<日時>

・ 6月28日(金)    ・7月25日(木) ・9月26日(木) ・10月24日(木) ・11月28日(木)   ・12月26日(木)    

  10:00~10:15までにお越しください。内容は45分程です。予約はいりません。

<内容> ベビーマッサージや園庭遊びなど(内容が変更になる場合があります。)

卒園そして入園

3月に卒園式があり、16名の5歳児が卒園していきました。

5歳児がしっかりと育っている姿を、幼児のクラスだよりの今年度最終号に書かれてありました。

最近のぞうタイムの伝言ゲームをした時の出来事です。キーワードが回ってきてどうしても自分の好きな物を隣の友達に言いたくなるAくん。途中で言葉が代わって中々成功しません。そんな時Bちゃんが「間違えるのもなんかおもしろいね」と言ってくれました。その一言から、みんな途中で言葉が変わっても「そんなんなる?!おもしろ!」と言葉が変わっても楽しめる雰囲気に。そして「じゃあAくんから初めてみる?」と聞くとみんな「いいね!」と言ってくれ、Aくんから始めることになり無事成功!どんな状況でも、それもいいね!と言えるようになったぞうさんがとっても素敵だなと感じました。これから色んな場所で色んな人と出会う子どもたち。そんな素敵な気持ちを忘れずにいて欲しいです。

ステキな5歳児が卒園をして、とっても寂しいけれど、また、新しいステージで頑張ってくれると思います。4月には、15名の新入児が入園してきます。楽しい1年にしたいと思います。

ネガティブケイパビリティ

「ネガティブケイパビリティー」という言葉を耳にする機会が、ここのところ数回ありました。意味は、「答えの出ない事態に耐える能力(帚木蓬生【精神科医・作家】定義)」ということです。私自身もそうですが、やたら時間に追われ、成果を気にし、自分にもわが子にもタイパ(タイムパフォーマンス)を求めてしまう。今は何でも、携帯で調べたらすぐに答えが出ます。昔は、調べるにしてもいろいろな方法を駆使し、この問題は誰に聞いたらいいのか、人物を具体的にイメージして、足を運んで、もしくは一人でうんうんと悩んで、解決していきました。不便さが自然に「ネガティブケイパビリティー」を鍛えていった時代でした。安易な調べでわかったつもりにならないで、わからないことに付き合い続ける耐久力が必要です。子ども自身にもこれからの時代、身に着けてほしい力だと思います。子ども達がじっくりと取り組む時間を大切にし、形にとらわれず、不格好でも、人間味のある、面白い保育を目指したいと思います。

子ども主体

2024年は、能登半島地震や飛行機事故など、不穏な幕開けとなりました。被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。1月もあっという間に過ぎようとしていますが、今年も、皆が楽しく元気に過ごせるようにと祈るばかりです。本年もどうぞよろしくお願いします。

1月20日(土)あそびとまなび保育・教育研究会の「環境を変えれば保育が変わる!」の研修に行ってきました。

今後10年~20年の間に今ある職業の49%は、AIにとって変わられると言われている中、子どもにとって、ますます生きにくい時代になるかもしれません。OECDはグローバル・コンピデンスとして「自分で考え行動し、未来を切り開く力 = ① 世界を追求する力  ②異なる観点があることを認める力  ③ 考えを伝達する力  ④ アクションを起こす力」を挙げています。

1月23日(火)に受けた研修、「意欲と想像力が育つ環境」(関西学院大学・橋本祐子先生)では、子ども主体性を尊重する教育・保育について学び、「保育士は教えすぎていないか。」と警鐘を鳴らされ、「子どもは自分でやったことしか身につかない。」「子どもは考えるチャンスがあればあるほど、自分で考えるようになる。」とも。

両研修を通して、私が感じたことは、AIに意欲や思いやる心は育てられないということ。人の気持ちに寄り添い、助け合って生きていく大切さを、生きにくいこれからの時代だからこそ、伝えたいし、育てたい。だから子ども主体の保育(一人一人が大切にされる保育)を、みんなで今年も考えていきたいと思いました。

多様性

12月22日(金)は「お楽しみ会」です。12月の楽しい雰囲気を味わってもらおうと、「お楽しみ会」を計画したり、エントランスに「アドベントカレンダー」を用意したり、幼児は給食をバイキングにして楽しみます。昔は、「クリスマス会」と呼んでいたこともありました。保育園には、いろいろな考え方の人や、いろいろな国の人がいて、宗教上の理由から、クリスマスを祝わない方もいらっしゃいます。キリスト教の中にも、クリスマスをしない宗派の方もおられます。また、他に、宗教上の理由で、豚肉を食べない方や、散歩でも神社に行ってほしくない方もいらっしゃいます。父の日、母の日に子ども達とプレゼントを作ったこともありましたが、家庭にも様々な事情があって、一律に作ったり、持ち帰ったりすることはやめました。多様性(ダイバーシティ)が重んじられる社会になってきている今、保護者でも子どもでも、個々を大切にして、しっかりと愛着関係を結んでいきたいと思っています。 今年もいろいろありましたが、大きな事故もなく、保護者や子どもに助けられ、楽しく過ごすことができました。感謝、感謝です。来年もどうぞよろしくお願いします。

伴走者

10月26日に各クラス、懇談会がありました。懇談での園長の話です。     

 たてわり保育も今年で4年目を迎え、年を経る毎に、たてわり保育の良さを職員は実感しています。大人の硬い頭を柔らかくしてくれ、人間本来が持つ人と人とを結ぶ力の凄さを教えてくれたりします。何歳だからとか、男だから女だからとか、障がいがあるないとか、そんなこと全然関係なしに、得意なことは教えてあげて、出来ないことは助けてもらう。そんな自然の摂理というか、人として当たり前のことを、でもとっても大事なことを、子ども達は毎日毎日積み重ねてきています。大人も見習わないとと思います。          

 今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に新型コロナウイルスのmRNAワクチンの開発で大きな貢献をしたハンガリー出身で、アメリカの大学の研究者カタリン・カリコさんら2人が選ばれました。カリコさんは、科学者をあきらめて家庭に入る女性たちに対し、「私は女性として、母として、同僚の女性の科学者たちに対し『家庭を持つことと科学者でいることのどちらかを選ぶ必要はない』と伝えています。子どもはあなたをみて、見習います。あなたが子どもの模範になることが重要なのです。」これは、母であるあなたが、あきらめずに輝いてほしいというメッセージです。そしてこうも語っています。「好きなことがあることが何より大切です。」と。カリコさんは、ペンシルバニア大学を追われるなどの逆境の中にありながら、自分の力を信じて研究を続けてこられました。子ども達にも、自分の好きなことが見つかるように、私たち大人は、伴走者になって援助していきたいと思います。

意思決定

「子どもの主体性を尊重する。」最近、とかく出てくる言葉です。では、「主体性」ってどうやって伸ばしたり、育てたりするのでしょうか。

9月3日(日)に、「子ども情報研究センター」と「自治労大阪府本部」が主催の、「第10回 大阪発 保育・子育てを考える集い」にパネラーとして参加してきました。テーマは「子ども達の保育を守るためには」で、「子ども基本法」についての講演や、子どもに関わるいろいろな立場の人のデスカッションがありました。その集会でも出てきましたが、主体性を育てるというのは、それぞれが自分の気持ちを表現し、人の話に耳を傾け、人の考えを取り入れ、また自分の考え方を再構築する。そうやって確立していく過程をくり返しながら主体性が育っていくのかなと思います。

だとすると、保育園では、子どもが面白い、楽しいと思える活動を用意し、子ども自身が考えたり、チャレンジしたりできる機会を多く持ち、出来るだけ多くの意思決定をする場面をつくり、子どもの決定を尊重したいと思います。

私の意志の話を少し・・。

【保育所時代】私が年長さんの時、保育所の発表会で、「みにくいあひるのこ」をやることに決まりました。私は劇遊びが大好きでした。主役の「みにくいあひる」は、私がすると勝手に決めていたけれど、発表されたのはその他大勢のあひるの役でガックリ。何もかもやる気をなくして、ふてくされ、合奏もせずにいたら、先生(保育士)から、タンバリンで頭を叩かれました。私の意志は、みごとにつぶされました。  【中学校時代】理科の時間、酸素と水素から水を作るという実験を行いました。実験後に、どうも納得がいかずに、理科の先生のところに行きました。私が「先生は酸素と水素から水ができるとわかっていて、それを生徒にさせたけれど、それは実験でしょうか。もしかしたら違う物でも水はできたかもしれないし、わかっていることをさせられるのは、実験ではないと思うんですが。ちっともおもしろくありませんでした。」と。なんて生意気な生徒でしょう。でも、とても誠実な先生で、「その通りだと思う。」と言いに来てくれました。 これは意志を大切にしてもらった話。私の意志にまつわる大昔の思い出話でした。

楽しいこと、好きなことは大事にしてやりたい。子どもの意見は大切にしたい。そんな気持ちは、私の子どもの頃の経験が関係しているのかもしれません。

社会的安全性

あるクラスの懇談会で、「社会的安全性」の話をしました。「社会的安全性」とは、たとえば、組織で会議をした場合に、違う意見を言ったとしても、人間関係が悪くなったり、疎外されたりしない、心身が脅かされない関係性を指します。

「不適切な保育」が行われていた保育所の多くは、保育所内部でそれぞれの職員やクラスの保育について、正当なディスカッションがされず、「社会的安全性」が保たれていない保育所でした。これは年齢や立場に関係なく、子ども社会でも見られ、いじめや無視、仲間はずれなどは、「社会的安全性」が崩壊してしまった姿です。

保育園に通う未就学の子どもは小さくてもしっかり自分の意志があるし、意見を持っています。この意志や意見を大人が尊重し、それを表現する経験をたくさん作り、人間は一人一人違うからおもしろいということを肌で感じられるような取り組みを大切にしていきたいと思っています。そうすることが「社会的安全性」の高い組織の基礎をつくり、ひいては「平和」につながると思うのです。

pagetop