「ネガティブケイパビリティー」という言葉を耳にする機会が、ここのところ数回ありました。意味は、「答えの出ない事態に耐える能力(帚木蓬生【精神科医・作家】定義)」ということです。私自身もそうですが、やたら時間に追われ、成果を気にし、自分にもわが子にもタイパ(タイムパフォーマンス)を求めてしまう。今は何でも、携帯で調べたらすぐに答えが出ます。昔は、調べるにしてもいろいろな方法を駆使し、この問題は誰に聞いたらいいのか、人物を具体的にイメージして、足を運んで、もしくは一人でうんうんと悩んで、解決していきました。不便さが自然に「ネガティブケイパビリティー」を鍛えていった時代でした。安易な調べでわかったつもりにならないで、わからないことに付き合い続ける耐久力が必要です。子ども自身にもこれからの時代、身に着けてほしい力だと思います。子ども達がじっくりと取り組む時間を大切にし、形にとらわれず、不格好でも、人間味のある、面白い保育を目指したいと思います。