子どもの最善の利益を追求し、一人一人の子どもを大切に保育を行います。
また、現在を最も良く生き、望ましい未来を創り出す力の基礎を培います。
同時に全ての子育て家庭を視野に入れ、子育てに関する支援事業をおこない、
地域の子どもも含めた子どもの育ちを、総合的に支援します。

保育園の概要

親子行事~親子であそぼう~

1月25日に「親子であそぼう」を開催しました。この行事は、保育園の中で子どもたちがどのような生活や遊びをしているかを、保護者の方に知ってもらう機会にしています。当日は5歳児によるパレードや、ゲストで「南京たますだれ」の公演が開かれました。子どもたちと一緒に遊ぶ保護者さんの姿も、たくさん見ることができました。

引き出す保育

1月28日(日) ピラミーデ教育法~21世紀を生き抜く力~の研修に行ってきました。ピラミーデ教育法は、オランダで生まれました。オランダは1970年頃まで一斉教育・一斉保育が主流で、多くの「おちこぼれ」を生み、Cito(旧オランダ王立教育評価機構)が抜本的な教育改革をおこないました。オランダは今やユニセフの調査で、「オランダの子どもたちは先進国の中で最も幸せと感じている。」という調査結果を上げるほどに、教育改革を果たしたのです。ピラミーデ教育法は、オランダを発祥の地とするアクティブラーニングです。ピアジェやヴィゴツキーの研究を基に、動的心理学(セルフレギュレーション)を用いて開発されました。子どもの自己選択、自己解決が、『人間力の基礎』と考え(当園の保育理念に合致しています。)、主体は子ども、大人はあくまでも子どもの力を引き出すサポーターに徹し、保育内容は大きく2つの柱で成り立ちます。【① 遊びと学びの環境による保育 ② プロジェクトによる保育 】ピラミーデ教育法は1994年に確立されて以降、ドイツやアメリカにおいても広く普及しており、日本でも現在、研究が重ねられてきています。

ドイツのシュタイナー教育(ルドルフ・シュタイナー)の研究者・松井るり子さんは「7歳までは夢の中」という本の中で、7歳までは、体験や心に響くこと、自身の興味に寄るところのものを優先し、知識を植え込むのは7歳以降にするよう説いています。つまり7歳までに、自分で発見する楽しさや、考える楽しさを植え付けると、その子らは、学び続ける楽しさが一生涯続くというのです。

当園は、まだまだ勉強不足ですが、21世紀を幸せに生き抜く子どもたちを育てるために、皆で勉強していき、登園で活用できるものはしていきたいと思っています。Education(教育)の語源は、ラテン語で「引き出す」という意味です。子ども自身がそれぞれ本来持ってる力を十分に引き出し、子ども主体の保育ができうるよう研究していきたいと思います。

防災学習

阪神・淡路大震災を忘れず、そして、これから災害が起きたときのことについて、こどもたちと一緒に考えました。担任職員より、スクリーンと写真とでお話をしました。

 

環境

『あすか保育園が大切にしている、「愛着を深める保育」を勧めるために、乳児では、「育児担当保育」を実践している。』と以前の投稿に書きました。園全体では、子どもが自分でしたい遊びや、発達に即した遊び、集中できる遊びを用意し、「環境による保育」を大切にしています。そういった遊びを用意する「物的環境」は、園の雰囲気や、室内環境、園庭なども含まれます。そしてもう一方で大切なのは、「人的環境」です。保育士や保育に関わる周りの人が、子ども達に影響を与えます。子どもを慈しみ、深い愛情をかけることは当然ですが、子どもは安心して穏やかな時間の流れの中で保育を受けてもらいたいと思っています。そのために、「大きな声を出さない。」「子どもを尊重し、否定的な(子どもに失礼な)言い方はしない。」「子どもを怒らない。」と、保育士は自分自身で常に自戒しています。声だけでなく、大人の「立ち居振る舞い」も重要です。いわゆる、「所作」というものです。大人のガサガサした動きは、子どもの心に平穏を与えません。きちんとしたマナーや行儀を大人が身に着けておくことも、その姿が子どもに映ります。「人は見た目が100%」という本がありました。全くそうだとは思はないけれど、外面は内面を映し出すと思います。今年も園全体で、背筋を伸ばし、相手の目を見て、誰に対しても変わらぬ優しい面差しで対応していきたいと思います。

最後にマリア・テレサの言葉で括ります。

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。

謹賀新年

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

皆様は、穏やかにお正月を過ごされましたでしょうか。今日は2018年の保育始めです。元気に登園してきた子どもたちも、うれしそうにお正月の出来事を聞かせてくれました。

私もゆっくり過ごしました。おみくじを引くと「末吉」でまずまずのすべりだし。慌てずじっくりゆっくりと・・と書かれてありました。2016年・17年が脱兎の如く過ぎ去っていったので、年末にも書いた通り、今年は、この地にしっかりと根を張るために、ゆっくり一つずつ丁寧に向き合っていきたいと思います。

女に弱いと書いて「嫋やか(たおやか)」と言う大和言葉があります。「しなやかで、優しく、折れそうで折れない。柔和でありながら強き心を持つ。芯の強い人。」という意味です。私自身、嫋やかに生きていきたいなぁと思います。あすかに小さな花を嫋やかに咲かせていきたいなぁと思います。ゆっくり、ゆっくりと・・。

よいお年を

2017年も残すところわずかになりました。

2017年は目まぐるしい年でした。1~3月は移管最終引き継ぎ・建設大詰め・引っ越し・・。そして4月の開園。新しい園での保育。大人も子どももみんな慣れなくてイゴイゴ・・。皆さんに支えられ、迷惑をおかけし、今を迎えられていると思います。本当に感謝しています。ありがとうございます。

前回の投稿に出てきた、ジャマイカに帰国した子どものお母さんが、ちょっとした相談事を持って、先日来園してくれました。それはうちの保育園に関する内容ではなかったのですが、元担任と英語が少しできる職員と私(園長)でお母さんの話を聞き、関係先(小学校や区役所でした)に連絡を取りました。私が電話をかけている時に、お母さんが職員に言いました。「この園はいつも困った時に助けてくれる。」

私は30年ほど前にこの近くの保育所に勤めていました。今年、あすか保育園が開園し、私が勤めていることを知ったその頃の保護者がよく訪ねて来てくれます。やっぱり相談事を持ってきてくれたりします(笑)。

正直、反対に心が満たされます。来てくれて、顔を見ることができて、ほんとにうれしいなぁ、ありがたいなぁと思います。地域の中で、困った時に「保育園にいってみようかな?」と思っていただける存在になりたいです。社会福祉法人の意義はそこにあるかなぁとも思います。人は、人に認められて存在意義を確認し、自尊感情が高まります。時々は自分達自身に「いいね」をつけながら、これからもあすか地域に根を張り、職員みんなで頑張っていきたいと思います。

皆様、来年もどうぞよろしくお願いします。よいお年を。

きらきらひろば

「きらきらひろば(生活発表会)」が終わりました。どのクラスも楽しんで表現していましたが、中でもやっぱり年長さん(5歳児・ぞう組)は、持てる力を精一杯出し切っていたと思います。劇(落語「しまめぐり」)で、主人公が世界に羽ばたいて行くのですが、7月にジャマイカに帰っていった友達のことを想い、ぞう組の子どもたちはその友達に会いに行こうと、劇のシナリオに加えるのです。自分で考えて、想像し、実行(表現)していく。非認知能力の育ちです。

2020年度から、センター試験に代わり始まる、大学入学共通テストのプレテストが行われました。国語では文章や資料を読み取る力が問われ、マークシート式も思考力や判断力を測る、新しい形式が採用されました。従来のマークシート式では十分に測れない思考力や判断力を問うことを重視しています。

「きらきらひろば」でも、お伝えしました。「保育者が指示し、教え込むのではなく、子ども達自身が考える力を身に着ける。そのためには、結果に向かって一直線に歩むのではなく(一直線に進んだ方が、結果、見栄えはすばらしいものができると思いますが・・・)、蛇行し、衝突し、折り合いをつけ、失敗を繰り返し、やっと一つのものを作り上げる。その過程が、非認知能力を培っていきます。

「きらきらひろば」で見せてくれた子どもの姿から、そんなことを確信しました。

土を耕す時期

今、保護者に移管後のアンケートが、子ども青少年局より配布され取り組まれています。保護者の方から、概ね高評価をいただいていて本当に感謝しているところです。ただ、「子どもに教える保育」ではなく、「子どもが考える保育」への移行は、行事などの出来上がり具合でいうと以前より見劣りするのかもしれません。保護者に理解してもらうには、まだまだ説明不足だし、実践不足だと思います。焦らずボチボチ丁寧に積み重ねていきたいと思います。

以前、毎日新聞に「就学前 保護者のイマドキ心構え」という記事が載っていました。書かれたのは、第一ゼミナールという塾の先生。「大事なのは子どもの力をひきだすこと。ひらがなや算数は急がずに。子どもが興味を持ったことを一点突破で(そのことばかり)やらせればいい。長所をのばして自信をつけさせる。自分に対するプラスのイメージや何かをやり遂げたいという前向きな意欲が必要。それは、自分のことを大切に思っている人がいることで育つ。」私たちが日々保育の中で大切にしたいことと重なり、わかりやすくて驚きました。子どもがどんどん吸収したい、学習したいと思う力の基礎が、保育園時代に育ちます。まいた種がきれいに花を咲かせられるよう、土を耕していい土にしておく大切な時期です。大切に育てていきたいと思います。

育児担当保育

来年度の一斉入所の希望に関係して、保育園見学が9月からとっても増えています。先日、見学に来られた方は、ホームページの「保育園の思い」を読んで訪問してくださり、とても共感してくださいました。なんだかうれしくて胸が熱くなりました。

園では、育児担当(乳児担当)保育を導入しています(0~2歳の乳児組)。新入児の子らは、初めての集団、保護者以外の大人、新しい環境、等々、不安だらけのスタートを切ります。「十把ひとからげ」ではなく、できるだけ丁寧に保育し、子ども達に安心してほしいと思っています。育児担当保育は、食事や排泄を中心に、特定の保育士が特定の子どもに対して、継続的に関わる保育です。子どもの生活リズムや習慣、特性を配慮してグループが組まれており、日課という一日のスケジュールを基に、毎日同じ日課が営まれ、安心した生活が送れるようにしていきます。そういった日々の育児担当保育から、子どもとの深い信頼関係(愛着)が生まれます。愛着関係がしっかり結ばれて、自分は愛されていると確信が持てると、大きな自信に繋がっていきます。自信が持てればいろんなことに挑戦し、失敗もいっぱいして、自分で考えることを楽しめるようになっていきます。つまり「自分で考えて、判断し、表現する力」つまり非認知能力を生み出していくのです。愛着をしっかり育むことは、人間関係や人格形成の盤石な基礎を作るということ。園がとても大切にしている保育内容・保育方法の一つです。

 

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