乳幼児教育実践家の井桁容子先生が、マスク着用の保育について書いておられました。『実践者の間隔としては、マスクを着用したままでの保育は、幼い子どもの心の育ちに影響があるのではと気がかりであること、乳幼児は、表情が豊かな人を好むと、心理学の実験でも証明されているのだから、マスクを着用していると、表情が見えなくて、良くないのではないか、と思っていたこと。』
そこで、井桁先生が東京大学大学院教授の遠藤利彦先生に尋ねると、その回答は、『動物と異なって人間の目に白目があるのは、相手に目の動きがわかるように(見えるように)するためにある。それは、相手の思いをくみ取るために必要だから。口元が笑っていても、目が笑っていなければ、人はその思いを感じ取る。幼い子どもたちは特にその感じる力が優れているのでごまかせない。また、赤ちゃんは、声に含まれる感情的な調子がわかるので、マスクを着用しなければならない状況下でも、あまり心配はない。』とのことでした。
そして、井桁先生の結論は、『マスクの着用を心配する以前に、保育者が子ども達に温かいまなざしや、優しい口調を心がけているかどうかが重要なことだ』と。子どもは、とても本質的なところをわかっている場合が多いです。だから大人は子どもにうそをついたり、ごまかしたりしてはいけないんだと思います。子どもは全部お見通しで大人を許してくれているんだと思います。忘れないでおきたいと思いました。