子どもの最善の利益を追求し、一人一人の子どもを大切に保育を行います。
また、現在を最も良く生き、望ましい未来を創り出す力の基礎を培います。
同時に全ての子育て家庭を視野に入れ、子育てに関する支援事業をおこない、
地域の子どもも含めた子どもの育ちを、総合的に支援します。

保育園の概要

来年度の申し込み

  8月25日の毎日新聞では、2021年上半期の出生数は40万5029人で、前年同期と比べて2万5680人減少し、速報値としては、2000年以降で最も少なかった。としています。昨年の出生数は、84万832人で過去最少を更新しましたが、今年はさらにそれを割り込む可能性もあります。コロナ禍で、将来に不安を感じたり、子どもを産み育てることに不安を感じる方が増えたことも、大きな要因だと考えられます。

 あすか保育園は、開園当初、1歳児さんの定員を12名でスタートしましたが、1歳児さんのニーズが高く、待機児童が多く存在することから、ここ数年15名に増やしてきました。しかしながら、一方で、1歳児の保育を行う上での集団規模は、何人が適性なのかもずっと考えてきました。色々な考え方があるので、正解はないのかもしれませんが、部屋の環境や子ども達の日課、対応保育士の人数などを考え合わせると、あすか保育園は12名が適正規模ではないかと思われます。よって、来年度の1歳児は12名に戻して運営しようと思います。

 来年度の一斉入所の申し込みが始まります。園に申し込み用紙を取りに来られたり、園見学に来られる保護者が増えています。

 見学に来られた保護者の方々は、園の具体的な内容をしっかり聞いて帰られます。子どもを産み育てにくい時代だからこそ、保護者としていい環境を選び、用意したいという気持ちがとても伝わってきます。夫婦同伴で見学に来られる方も増えました。保育園に足を踏み入れるのが初めての方もおられます。私たちは、見学に来られた方に、できるだけわかりやすく、安心していただけるよう説明し、子育て相談も同時に行なったりもしています。

 これから入園を考えておられる保護者の方々、不安なことも沢山あるかと思いますが、子どもはすごい力を持っています。大人を鼓舞する力も持っていたりします。子どもは実に面白いです。なので、どうかあまり怯えないで一緒に子育てを楽しみましょう。悩みは必ず私たち保育士が、一緒に考えます。お気軽に保育園にお越しください。

 

事故の芽を摘む

7月29日、福岡県中間市にある保育園で、倉掛冬生君(5歳)が、登園の際に使われた送迎バスの中に置き去りにされ、熱中症で亡くなりました。

朝、お母さんはお兄ちゃんと一緒に、冬生君を見送りました。バスに乗り込んだ後姿が、元気な最後の姿になりました。園長は一人でバスの運転・送迎を行っており、人手不足でバスの送迎に職員をあてることができなかったと、言っています。また、その日、冬生君のクラスの先生は、冬生君が欠席だと思っていたそうで、帰りのバスを迎えに行ったお母さんは、担任の先生から「今日、冬生君、来ていませんよ」と言われます。

親が登園させていない自分の子どもを迎えに行く、そんな間違いをするでしょうか。欠席児童の確認や情報共有は、その園ではなかったのでしょうか。

あすか保育園では、毎朝、各クラスと事務所で児童の確認を行っており、連絡がなく休んでいるご家庭には電話を入れさせてもらっています。また、事故に繋がりかねない事例は「ヒヤリハット」を書いて検証しています。

それでも、ヒヤッとすることが、保育では起こるのです。保育界の人手不足も事実です。でも、それらは、命が無くなることへのなんの言い訳にもなりません。これからも、それぞれの職員が緊張感をもって保育にあたるよう、またチームワークよく保育を進められるように、皆で考えていきたいと思います。何かお気づきの点があれば、遠慮なく言ってください。その気付きが、園を良くし、事故を防ぐことに繋がるかもしません。「事故の芽を摘む」ことへのご協力をよろしくお願いします。

夜の保育園(2021・7・16)

 今年の「夜の保育園」も大成功でした。テーマは、「遊園地」。思考を凝らして「あすかナイトランド」が開かれました。確かに保育士たちが工夫はしているのだけれど、子ども達はそこに自分たちで想像力を働かせ、より楽しさを自分たちで倍増させている姿がありました。楽しいことを想像することは、子どもの心持ちが安定していないとできません。今の5歳児さんが、年長としても安定し、しっかり成長してくれていることを物語っていました。家庭でも大切に育てられている証(あかし)ですね。

新約聖書のマタイ伝に次のような言葉があります。

「持てる者はさらに与えられ、持たざる者は、さらに失う。」この子たちはまだまださらに与えられ、心が豊かになっていくのだろうなと、とても楽しみになりました。

心肺蘇生・救急救命訓練

7月14日からプール遊びが始まります。その前に、職員全員で、AEDの使い方や心肺蘇生の訓練を行いました(7月9日)。毎年行っているものですが、やはり人間の記憶はすぐに薄れます。プールが始まる前に訓練を行うことの大切さを、訓練を行いながら改めて感じました。

違い

最近、「選択的夫婦別姓」制度の問題が議論を呼んでいました。また、同性婚やLGBT(性の多様性)の問題もニュースや新聞で最近よく取り上げられています。   

大昔(笑)、私(園長)が、3歳児クラスの担任をしていた頃の話です。

K君は、普段からままごとや絵本、お絵かきの好きな男の子でした。K君は、女の子になりたいと言って、妹のフリルの付いた下着をパツンパツンなのに着てきたりしていました。ある日、K君はお母さんに「ぼくのオチンチンを切ってほしい。」と言いました。お母さんは、ショックでした。お母さんは、K君に「K君が生まれてお母さんはとてもうれしかったし、K君をとても大切に思っているの。それはK君の体も大切に思っているということなの。もう少し大きくなってどうしても嫌だったら一緒に考えよう。今はもう少しつけてもらっててもいい?」と言いました。お母さんが話してくれた時、私はお母さんの誠実さに涙が出ました。

「性の話」は非常に複雑で難しいです。けれど、人のいろいろな違いを認めあうことが、その理解の根底にあると思います。「たてわり保育」は、いろんな年齢のいろんな人がいて、「違いの幅」が広がっています。日々の生活をベースに、K君のお母さんのように、子どもに真摯に向き合っていきたいなぁと思います。

先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か

(2020年9月ユニセフレポート)

ユニセフによる、先進国38か国の子ども達の、精神的・身体的な健康と、社会的スキルについてのランキングです。

子どもの幸福度の総合順位は、20位

内訳は、身体的健康(肥満や過体重の割合・死亡率等)が1位。しかし、精神的幸福度(生活満足度・自殺率)は37位という最下位に近い結果となりました(1位はオランダ)。またスキルについては、読解力と数学の基礎的学力は、順位のトップ5に入るのですが、「新しい友達を作る」等の社会的なスキルがワースト2位で、結果、スキル全体の順位は27位でした。 つまり、日本の子どもは、

身体的健康は守られているが、生活全般への満足度は低く、自殺率が高い。また、基礎学力はあっても、友達が作れない。

ということになります。なかなか悲しい結果です。

あすか保育園の保育理念の一つでもある、「人として幸せに生きていくための力を育てる。」という項目について、もっともっと研究していかなくてはならないと実感しました。

子ども像の「よく遊ぶ子ども」「よく考える子ども」「自分や友達が大好きな子ども」を保護者の方々と一緒に、しっかりと育てていきたいと思います。

またまた緊急事態宣言

5月は1ヶ月、緊急事態宣言中になってしまいました。協力して頂ける家庭は、ほとんどのお家が登園自粛に協力してくださっています。人流を少しでも抑えるため、感謝しています。

春に予定していた運動会は秋に。春の遠足は、今年も全て中止になりました。今年度も、なかなか厳しいスタートでしたが、子ども達は、新年度を活き活きと過ごしています。本当にたてわり保育の威力はすごくって、年長さんが、年長としての誇りを持って、下級生をリードしてくれています。新4歳が、もうすでに年長さんの技や雰囲気をつかみ取ろうと、虎視眈々と様子を伺っています(笑)。

乳児は約1ヶ月が過ぎ、新入児さんも本当によく遊ぶようになりました。1歳児は12人が新入で、当初、おんぶ紐・抱っこ紐が大活躍しましたが、もうすっかり自分で立って遊んでいます。

この間、子どもさんを送って来られたお父さんに「泣かずに遊ぶ時間がとっても増えましたね。」とお声がけすると、「ずっと(保育士さんに)抱っこしてもらっていたからです。」とおっしゃられました。年度当初の私たちの努力を知っていただけていると思うと、心がホワンと温かくなりました。

きっともう少しの我慢。平常に戻ったら、それまでを取り戻すべく、思いっきり遊びたいと思います。

2021年度

18名の新入児を迎え、2021年度がスタートしました。大阪では、コロナの陽性者が日ごとに増え、入園式も危ぶまれましたが、何とか執り行うことができました。たてわり保育も2年目に入り、3月~4月への年度替わりの移行がとてもスムーズなことを実感しました。

入園式の日、私からのあいさつは、、、

人を一人保育していく上で、本当にいろんな方向から、育ちの道筋を見つめなければいけません。心・言葉・体・脳・人間関係・・・。職員も一生懸命勉強し、子どもを見つめて、子どもの健やかな育ちを保障しようと奮闘しています。

では、保護者の方の一番の役割は、というと・・。

保護者の方は、子どもを信じ、受け止め、認めてあげていただきたい。そして、肯定的な、あるいは称賛の言葉をたくさん掛けてあげて欲しいと思います。それはきっと子どもの心の栄養になって、幸せな気持ちが心に広がります。そうやって人は豊かに育っていきます。たとえば子どもが抱っこを求めてきた時も、できる限り抱っこしてあげてください。立って抱っこがしんどかったら、座ってひざにのせてあげてください。日常で感じた不安や、もやもやした気持ちは、脳の前頭前野が抑制してくれるのだけれど、不安やもやもやが大きくて、前頭前野で受け止められなくなったら、その不安を誰かの身体を通じて放出しようとします。これが抱っこを求める最大の理由です。脳科学のロジックです。「わがまま」でも「赤ちゃんみたい」でもありません。愛着形成はここをきちんと受け止めてあげることで作られて行きます。大人の役割はこれに尽きるかもしれません。

どの保護者もしっかりと聞いていてくれました。(保護者の聴く姿勢で、子どもの様子がわかります。)子どもの声に耳を傾け、子どもの関心に注意を払い、子どもの意思を尊重する。そんな作業(大人の我慢がとても必要な作業)を丁寧に積み重ねていくと、必ずしっかりとした根っこが張っていくと思います。

園庭で遊び始めた1歳児
しっかり泣いたので遊びだすのも早かったです。室内でよく遊んでいます。

年度終わり

2020年度の保育納めです。山盛り大変なことがありましたが、保護者の方々のご協力を得て、何とか無事に過ごすことができました。

今年は、幼児がたてわり保育に踏み切った年でもありました。卒園式頃になると、今までの年齢別保育とは一段違った異年齢の関わりの深さを感じ、職員で「たてわり保育にして良かった。」と改めて実感しました。

22年度の高校の教科書の検定結果が発表されました。毎日新聞(2021・3・31)によると、『「主体的で対話的な深い学び」を重視しており、教科書の構成は、話し合いや発表に軸足を置く傾向が強まった。』『論理的思考養成に重点』『脱「暗記」、「議論」促す』『読解力の向上目指す』等々とありました。

私たちも『自分の考え方をしっかりと見つめ、模索しながら仲間と共に表現していく。』そんな道筋を保育園時代から大切にしたいと思っています。そしてたてわり保育のサークルタイム(話し合い)で、1年間いろんな話をし、皆で考え、発表してきたことは、「主体的で対話的な深い学び」に繋がってほしいと思っています。

園庭が春の陽ざしに包まれて、子ども達の笑い声が聞こえます。さぁ、明日から2021年度の始まりです。希望を歩んでいきましょう!

卒園

園だよりに掲載している「有所思之事」は、「思うところあっての記事」という意味で、心に留まったことを思うままに発信させていただいています。稚拙な内容なのに、保護者アンケートで、「HPのブログや「有所思之事」を楽しみにしている。」との声もあってうれしかったり、はずかしかったり・・・。

言葉を発信すること、受け取ることは、とても大切だと思います。米国の小児人工内耳外科医、ダナ・サキスンドは、著書「3000万語の格差」の中で、3歳までの子ども達が受ける言葉数の違いを立証しています。最も高い社会経済レベルの子どもと、相対するレベルにある子どもでは、親の応答回数が、1時間に2000語の差があり、これが、3年間で(3歳児の時点で)、3200万語の差があるということです。承認の表現(いいねとか、なるほどとか、そうなんやとか・・・)の差違は、特に深刻で、親から子どもへの承認の表現は、10倍の差がありました。しっかりと子どもの言葉を受け取り、承認の表現をしてあげること、このことが、将来の幸福度を左右するというのです。子どもの声に耳を傾け、保護者の方もしっかり発信してあげてください。そして、承認の表現を、たっぷり与えてあげてください。私たち保育者も、心に留めておきたいと思います。

今月号の園だよりの「有所思之事」に、上記の文章を載せ、卒園児の保護者の方へのはなむけの言葉にしました。

ぞう組さん、卒園、おめでとう!! これからの皆さんの歩みに、幸多きことを心から願っています。

お別れ会
出し物
手品
おやつのお菓子屋さん

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