こんにちは。木々もすっかり色づき、秋も、もうすぐ終わりですね。
今回は、昨年の園だよりで保護者の方に配布しました、みさき佃保育園の異年齢児の関わりのエピソードをご紹介したいと思います。
みさき佃保育園の、朝・夕の長時間保育は、乳児(0・1・2歳児)と幼児(3・4・5歳児)が一緒になる時間帯があります。幼児のお友だちにとっては、小さいお友だちと関われるひととき。やさしく話かけたり、手をつないだり、自分の使っているおもちゃを貸してと言われると「はい」とすぐに貸してあげる姿をよく見かけます。その時の子どもたちの顔は、優しくて、小さいお友だちがかわいくてたまらないという顔をしています。時々、小さいお友だちに「いや」と言われることもありますが、そんな時も無理強いはしません。近くにいて見守っています。
ある日の朝の長時間保育の時のお話です。乳児クラスのお友だちが、お母さんとの別れが悲しくて保育者に抱かれて泣いていた時、幼児ファミリーのお友だちが、すぐに気づいて「どうしたの?」と心配そうに来てくれましたが、すぐにその場を離れていきました。
少しして、乳児クラスのお友だちも泣きやんだ頃、さっき声をかけてくれた幼児ファミリーのお友だちが帰ってきました。手には、泣いていたお友だちが、いつも遊んでいるおもちゃを持ち、「ほら、これあるよーあそぼー」と声をかけてくれました。乳児クラスのお友だちは、保育者に抱っこされたまま「いやいや」と首をふりました。それでも「これ、すきやんな~あげる~」と差し出し、反応を見ているお友だち。結局、そのおもちゃは受け取ってもらえず残念そうに「いつもは、すきやねんで」と保育者に教えてくれました。保育者が「ありがとう」というと、その表情は明るく自分の好きな遊びをしに行きました。
幼児ファミリーのお友だちは、泣いている乳児クラスのお友だちを見つけて、何とかしてあげようとその子の好きなおもちゃを持ってきてくれたのです。少し時間があいていたのは、見つかるまで一生懸命探したのでしょう。私たちは、子どもたちが異年齢で過ごすことで、いろいろな心の育ちに気づかされます。そんな優しい関わりの場面をとてもうれしく思います。
保育園では、0歳児~5歳児までの子どもたちが生活や遊びを通して成長しています。もちろん、楽しいことばかりでではなく、ケンカやトラブルも日々ありますが、その中で自分の思いを伝えたり、相手のおもいにも気づいたりしながら、気持ちのコントロールの仕方も学びます。人は人によって成長することを私たちは日々実感しています。
私たちも、毎日のように子どもたちからいろいろなことを教わり成長させてもらっています。今のままでよいのではなく、一日一日を振り返りながら改善し、今後も保育園が、子どもたちのよりよい学びの場となるよう努力していきたいと思います。
*みさき佃保育園は幼児(3・4・5歳児)は異年齢保育をしています。幼児クラスではなく、幼児ファミリーと呼んでいます。