保育園の思い - あすか保育園

 

保育園の思い blog

 
 

子どもの最善の利益を追求し、一人一人の子どもを大切に保育を行います。
また、現在を最も良く生き、望ましい未来を創り出す力の基礎を培います。
同時に全ての子育て家庭を視野に入れ、子育てに関する支援事業をおこない、
地域の子どもも含めた子どもの育ちを、総合的に支援します。

保育園の概要

卒園

2020年3月19日(木) 社会福法人美咲会 あすか保育園 第3回卒園式がありました。今年は、新型コロナウイルスの影響で、開催が危ぶまれましたが、在園児の参加なし、式次第の縮小、全員マスク着用、定期的な換気等のもと、行うことができました。子ども達は、とてもうれしそうで、最後に、豊年太鼓を見事に演奏してくれました。

5歳児には、卒園式の数日前に、お祝いの特別感を味わうイベント?があります。それは、事務所レストラン&お茶会です。事務所に、5歳児が、数名ずつ日替わりで招かれ、園長と給食を食べます。小さいグループで、クラスの話や、おうちの話、また小学校の話等、ペチャペチャ喋りながらのランチです。いつもとちょっと違って、特別感があって、子ども達はみな少しハイです。そして、その日は、3時のおやつに、今度は和室に招かれて、お茶会です。園長が、それぞれに薄~い、お薄を点てます。お茶を点てるのを始めてみる子も多く、興味津々です。その日、5歳児がこんなことを言いました。

「あ~~、今日は、人生で最高の日や~!!」  思わず笑ってしまいましたが、私もうれしくなりました。今、起こったことに対して、最高やと思える喜びは、気持ちをたっぷりと豊かにします。そして、周りまで豊かで幸せな気分にしてくれます。この子たちのもとに、そんな幸せな経験が、これから先もたくさんありますようにと、心の中で願いました。

5歳児さん、幸せな気持ちにしてくれてありがとう。卒園おめでとう。

保育アンケート

全家庭を対象に、毎年、保育に関わるアンケートを実施しています。項目は、①日常保育に関する意見、②年間行事に関する意見、③給食に関する意見、④保育環境について、⑤保健衛生管理、⑥保護者負担金について、⑦その他、となっています。それぞれ項目ごとに、・満足 ・ほぼ満足 ・やや不満 ・不満を選んでいただき集計しました。結果、満足・ほぼ満足を合わせると、どの項目も90%を超える支持を頂き、大変感謝しています。

記述式の意見では、どの項目も、高評価な内容がほとんどでした。中には、厳しいご意見もありましたが、それも子どものためにと思って記入いただいたもの。具体に改善を図りたいと思っています。

その中でこんな意見がありました。

先生が話を聞いてくれないや、ひいきしているような言動の話をよく聞く。そんなつもりはないのかもしれないが、そう思われるような言動は、気を付けた方が良いのではないかと思う。

これに対して、園からのコメントは、「そう感じたご本人が、直接言っていただけると、なお改善しやすいかと思います。よろしくお願いします。」とさせていただきました。

自分が考えたこと、自分が感じたことを、自分で表現する(意見を言う)。これはどんな場合でも、とても大切なことだと思います。「聞いた話やけど・・・」とか、「誰々が言うとったけど・・・」というのは、風評被害を招きかねません。若い頃に受けた研修の講師が教えてくれた言葉に、こんなのがありました。

「自分のことは、自分で言う。人のことは、人が言う。」。私は、今でも自分の胸に刻み込んでいます。この言葉を守れば、人間関係がねじれることが、少なくなるかもしれません。子ども達が、いわゆる告げ口をしてきた時も、「あなたは、どう思うの?」と返してあげてください。自分が感じたことを、自分で表現する場面を、小さい頃からできるだけ作ってあげて欲しいなと思います。

振り返り

今、保育園では、今年度の総括と、新年度の準備が始まっています。先日も、今年取り組んだ「トライアルシート」(各自の研究課題)と、「自己成長確認シート」(自己評価シート)についてそれぞれの職員と個人面談をおこないました。

トライアルシートは、各自が選んだ個人のテーマ、災害・視覚支援・フォトフォリオ・環境等、多岐にわたって研究しています。保育はチームでしていく仕事ですが、個々人の学びもとても重要です。トライアルシートは、保育を見つめなおすきっかけや、課題を意識化する題材にしてほしいと思います。来年度もできるだけ身近な内容をテーマにして取り組んでほしいと思います。

「トライアルシート」が今後を見据えて取り組むのに対して、「自己成長確認シート」は振り返りが中心になります。振り返りがしっかり行われると、必ず次につながります。

職員が、本を貸してくれました。クラス懇談でも使った本で、「子どもと一緒にスローに暮らすお母さんの木」(藤田ゆみ著)という本です。この本の中では、著者が自身の子育てを丁寧に振り返り、自分や子どもや社会を見つめています。私自身はといえば、これまで、自分の子育ての振り返りを丁寧にしてこなかったし、第一、「スローに暮らす」というのが、とても苦手です。それでもか、だからこそなのか、この本の中身はスーッと体に溶け込んでいきました。皆さんも、機会があれば是非ご一読ください。ほっこりします。

            

迎春

明けましておめでとうございます。

1月4日から保育が始まりましたが、土曜日ということもあって、実質子ども達の多くが登園したのは、6日(月)からでした。10日間ほど見ない子ども達は、少し大きくなっていて、お正月の出来事を沢山教えてくれました。普段のお休みより、少し煌びやかで賑やかな雰囲気を感じられたでしょうか。

6日の職員朝礼でこんな話を引用しました。

「テ・ファリキ」というニュージーランドの乳幼児カリキュラムでは、「学びは、生涯にわたって続く『旅』」と言われています。私たちも、寄り道や回り道を沢山しながら、今年もみんなで力を合わせて、旅を楽しみましょう。」

今年は、子どもの育ちに、異年齢保育がより重要と考え、「たてわり保育」に舵を切ります。みんなで頭を抱えて、悩みまくるかもしれないけれど、ひとつひとつしっかりと皆で確認していけたらいいなと思います。

本年もどうぞよろしくお願いします。

もうすぐ2020年

12月に入って、胃腸や咳の風邪が流行ったり、今週はインフルエンザも出ましたが、大過なく2019年の保育納めが出来そうです。保護者の皆様を始め、多くの方々にご支援・ご協力いただきありがとうございました。

今日は、12月で退職する非常勤の先生と、退園する子ども達のお別れ会がありました。あすか保育園で会うことは、できなくなるけれど、それぞれの新しい門出に幸多かれと、願うばかりです。

私たちも、希望をもって、明るい2020年になるように、努力していきたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いします。

 

きらきらひろば②

12月7日(土)きらきらひろば(生活発表会)がありました。子ども達の楽しんでいる様子が伝わり、アットホームでほっこりとした、きらきらひろばでした。ごっこあそびをずっと楽しんできた子ども達は、役になりきり、自分たちの劇遊びが楽しくなるように、いろいろなアイデアを出してくれました。当日は、本番であるにも関わらず、困っている友達を普通に助ける発言や行動が、たくさん見られました。異年齢の交流も自然で、保護者の方から、「来年からのたてわり保育が楽しみです。」といううれしい感想もいただきました。好きなことをしている時の子どもの姿は、ほんとうにきらきらしています。好きなことを見つける、夢中になることがあるということが、とても大切であることを、幕間に保護者に話しました。

数日前に仙台大学の大宮勇雄教授の研修があり、そこで「さかなくん」の自叙伝「一魚一会」(講談社)の話をされました。さかなくんは、好きになると一直線で、わからないことはとにかく図鑑で調べる子どもでした。学校にも、教科書は持っていかず、毎日たくさんの図鑑を持っていきました。さかなくんは、絵が上手でしたが、授業中も魚の絵ばかり描いて授業に全く集中しません。その時の学校の先生と母との会話がすばらしい。

母:「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからそれでいいんです。成績が優秀な子もいればそうでない子もいて、だからいいんじゃないですか。みんながみんな一緒だったら、ロボットになっちゃいますよ。」

さかなくんは、「今の今まで一度たりともこのお魚好きを、自分自身で恥ずかしいとか、変だと思うことがなかったのは母の力が大きかった。」と述べています。

幕間にこの話を引用させていただきました。「私たちは子どもの絶対的な味方でありたいと同時に、子どもが子ども自身で、好きなことを見つける手助けをしてあげたいと思っている。好きなことを見つけた子どもは強い。」保護者の方も、しっかり聞いてくださっていました。

保護者も保育士も、子どもの周りにいる人が、子どもの心が欲するところの子どもの味方になっていければいいなぁと思います。

 

 

 

 

きらきらひろば①

12月7日(土)に「きらきらひろば」(発表会)があります。今、子ども達は、劇ごっこや歌や合奏を、たっぷり楽しんでいます。でも、一方で保育士は、悩みまくり。というのも、、。

発表会は、保護者が見に来られます。劇ごっこを発表するにしても、見ている側に伝わるものでないと、共感を得られません。又、行事には、保護者が子どもの成長を確認するという意味もあります。ある程度はストーリーが整理されていて、保護者が見てもわかっていただけるものを、発表しなければなりません。(子どもが楽しんで取り組んでいるというのが大前提ですが・・。)となると、子どもにどこまで主体としてリードさせ、保育士がどんな風に関与するのか、悩みまくり・・。となるわけです。私は、保育士に、その「悩む」という行為がとても大切なことと、伝えています。(失敗ばかりで悩んでばかりの私は、こう思うしかないんですが・・)失敗に学んだり、葛藤したり、悩んだりすることが、相手の気持ちを慮る心や所作を作ると思っています。保育園は子どものための施設で、主人公は子どもです。子どもが遊びの中で学んでいく大切な場所です。私たち保育士が、幅を利かせたり(笑)、偉そうにしてはいけないと思っています。

筑波大学の名誉教授の白川英樹さん(2000年・ノーベル賞)が、毎日新聞(11月27日・朝刊)に、「受験中心の仕組み、見直せ」という記事を書いておられました。白川さんは、「プラスチックは電気を通さない」という常識を破り、「誘導性ポリマー」を発見された方です。その記事の中でも、「子どもは、小さいころから、自由な遊びの中から、いろいろなことに興味を見つけてほしい。興味が広がることで、目的意識を持ち、自分で必要なことを学ぶようになる。」と述べられています。そういうことを大切にする保育園でありたいと思っています。

たてわり保育

 秋の幼児懇談会・乳児懇談会が終わりました。今回は共通のテーマがありました。それは、「たてわり保育」についてです。

 今年度に入って、職場内でいろいろと研修を重ねてきました。参考になる本を探して学習したり、ビデオを見たり、ポストイットを使って疑問を出し合ったり、グループトークで意見を言い合ったり・・・。話し合いを重ねていくうちに、たてわり保育が、今の子ども達の育ちにとても必要なことだということが段々わかってきました。私たちが目指している保育の実現にもとても有効だということもわかってきました。今の職員で、「たてわり保育」経験者は少なかったのですが、何となくやれそうな気がしてきて、楽しそうな気配や期待が膨らんできました。9月、一人一人の意思を会議で最終確認し、来年度の4月から、3~5歳児は、「たてわり保育」でスタートするため、準備を進めようということになりました。

 そして迎えた保護者懇談会。乳児組・幼児組ともに反対意見はありませんでした。というより、保護者の方々もやってみないとわからない、といったところだそうです。それにしても、保育園が出した提案を保護者の方々はいつも前向きに捉えてくださるので、とても感謝しています。その信頼にあぐらをかかず、子ども達がよりいきいきと暮らせる場所として、あすか保育園があり続けられるよう、職員みんなで努力を続けていきたいと思いました。

センス・オブ・ワンダー

「身近な自然が保育を変える」という研修を受けてきました。(講師:小泉昭男さん)皆さんは、レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」はご存知でしょうか。それは、「自然などからある種の不思議さを感じ取る感性」「神秘さや不思議さに目をみはる感性」のことで、トトロに出てくるメイちゃんが目を見開いて、どんぐりまなこで感激するような心持ちのことです。その感性は、全ての人が持っていますが、最近では、意識しないと、なかなかそのような場面に出会えることが少なくなっています。でも、少し意識することで、送り迎えの道中や、散歩の道すがら、自然をまだまだ発見することができます。「知ることは感じることの半分も重要ではない。」私たちも、身近な発見を大事にして、子どもと一緒に感じる時間を大切にしていきたいなあと思います。

子どもの力

今日は、我が家の話を一つ・・。

うちには、6歳離れた娘がいます。下の子が生まれた時、上の子は保育園の年長さんで、兄弟をとっても欲しがっていました。私がまだ身籠ってない頃から、七夕の短冊に、「かわいい妹が生まれますように」と願い事を書き、保育園の先生に、「お母さん、おめでたですか?」と聞かれたりしました。短冊効果か、しばらくして妊娠がわかり、大喜び。生まれた時も、お猿のような赤ちゃんをうっとり眺めて、「おかあさん、ほんとにかわいい、っていうのは、こういうことをいうんやろうな」ってつぶやいていました。

待ちに待った妹誕生ですが、実際は、今まで自分中心に回っていた生活が、赤ちゃん中心に様変わり。優しい声で妹に語り掛ける母。「は~い、おむつかえましょうね。きれいきれいしましょうね~」「あ~ら、いいウンチですね。すっきりしたね~」「今日の離乳食は、大好きなお芋ですよ~」といった調子。6つ離れているのをいいことに、私は我慢していたお姉ちゃんに、今から思えば、とても甘えていたんだと思います。

そんなお姉ちゃんも27歳になり、家を出ることになりました。荷物を片付けている時に見つけた、私に渡さなかった(渡せなかった?)手紙を「こんなん出てきた。」と持ってきました。その手紙にはこう書いてありました。

お母さんへ

お母さんは、今一番楽しいことは、何ですか?○○(妹の名まえ)のオムツかえですか?それともうんこを出すことですか?2つともちがいますか?こんど、おへんじをかいて、おへんじにこたえをかいてください。ぜったいにおへんじかいてね。またこんど二人だけでかんらんしゃのったりごはんたべたりしようね。

もう20年ぐらい前の手紙ですが、とてもショックでした。自分の鈍感さにあきれ、子どもがとてもいじらしく思えました。子どもに助けられて育児をしてきたこと、子どもの力の偉大さをまた、思い知らされました。

園でも、子どもの力は素晴らしい。だから、子どもの力を信じて、待って、引き出して、保育していこうと話しています。大人は子どもを尊敬しなくてはならないなぁと思います。

 

 

 

pagetop