最近、「選択的夫婦別姓」制度の問題が議論を呼んでいました。また、同性婚やLGBT(性の多様性)の問題もニュースや新聞で最近よく取り上げられています。
大昔(笑)、私(園長)が、3歳児クラスの担任をしていた頃の話です。
K君は、普段からままごとや絵本、お絵かきの好きな男の子でした。K君は、女の子になりたいと言って、妹のフリルの付いた下着をパツンパツンなのに着てきたりしていました。ある日、K君はお母さんに「ぼくのオチンチンを切ってほしい。」と言いました。お母さんは、ショックでした。お母さんは、K君に「K君が生まれてお母さんはとてもうれしかったし、K君をとても大切に思っているの。それはK君の体も大切に思っているということなの。もう少し大きくなってどうしても嫌だったら一緒に考えよう。今はもう少しつけてもらっててもいい?」と言いました。お母さんが話してくれた時、私はお母さんの誠実さに涙が出ました。
「性の話」は非常に複雑で難しいです。けれど、人のいろいろな違いを認めあうことが、その理解の根底にあると思います。「たてわり保育」は、いろんな年齢のいろんな人がいて、「違いの幅」が広がっています。日々の生活をベースに、K君のお母さんのように、子どもに真摯に向き合っていきたいなぁと思います。