園内研修で、「保育指針」の話や、「異年齢保育」の話を深めています。
1965年の「保育所保育指針」には、「異年齢保育」という語句は出てきません。子どもの遊び空間に十分異年齢の関係が存在した時代です。私もその頃に生まれた人間で、遊びのほとんどは、近所のお兄ちゃんやお姉ちゃんから教えてもらいました。そこから、少子化、核家族化、未就学児の通園率、女性の社会進出等、子どもを取り巻く状況や、保育をめぐる状況が変貌し、地域の中に「異年齢」で遊ぶ子どもの姿は消えてしまいました。
(以下、「異年齢保育の実践と計画」(ひとなる書房)を多数引用させていただきました。)
遊びとは、上述したように、本来、子どもの間で伝承されてきた文化です。年上の子どもが年下の子どもに対して、伝えていった豊富な遊び文化です。自分たちで遊びを考え、自分たちが楽しめるように時にはルールを変更し、役割分担も考え(ゴマメという役割もありました。)、発展させてきました。ゴマメであっても、お兄ちゃん達の仲間に入れてもらえるだけですごくうれしかった。年齢や性別やいろいろなカテゴリーから解放され、素の自分、自分の内面だけで勝負できた。そんな中から、「無条件に認めあう関係」が生まれていました。そういう経験をする場が地域の中から消えた今、保育園でその環境を作るのは、社会的使命だとも思うのです。「自分で考えて自分で判断する。」の基本形に、最も近い形だとも思います。園でも、もう少し議論を深め、近い将来、「異年齢保育」に移行していければいいなぁと思っています。